令和4年度決算は「不認定」 ~何をもって認定の是非とするのか~
◆令和4年度の決算は不認定に
9月末から10月初めにかけて行われた決算特別委員会での審査を経て、前年度の決算認定は、賛成6、反対16で不認定となった。(これで本市は6年連続決算不認定に)
令和4年度は市長の交代があった関係で、前半7か月を西岡前市長が、後半4か月を白井市長が事務執行をした年度となる。ただ、当該年度の予算のほとんどは西岡前市長のもとで編成されたものであるため、西岡前市長の最終年度の総決算として在任期間(平成27年度~令和4年度の7年間)に関する資料をもとに総括質疑を行いました。一方、白井市長にとっては市長の立場での決算初年度ということもあり、「決算認定とは何ぞや」的な話から目線合わせをしました。
白井市長の答弁を受けて、私は決算認定に賛成し、討論を行いました。
1点目
議員必携には、決算認定制度の意義として以下の旨の記載がある。
「歳入歳出予算執行の結果を”総合的に”確認・検証し、予算効果と行政効果を”客観的に”判断する。
本質的な意義は、行政効果の客観的判断と今後の改善や反省事項の把握と活用にある。」
沖浦質疑(要旨):
各議員に対して、決算認定の是非をどのような観点で判断してもらいたいと考えているか。
白井市長答弁(要旨):
議員必携は、基本中の基本。総合的に評価してもらい、ぜひご認定賜りますようお願い申しあげる。
2点目
令和4年度は西岡前市長の在任最終年度。総決算の意味合いを含め、着任した平成27年度から令和4年度の客観的評価をしたい。この7年間で、
●就学前児童数が増加した自治体は、多摩26市でたった3市しかなく、575人増えた本市は、687人の国分寺市に次ぐ増加状況(下の資料参照)
●保育サービス利用率の伸びは、21.1%と多摩26市中、一番大きな伸び率の変化(下の資料参照)
●保育サービス利用人数の増加は、1,529人と多摩26市中、調布市に次ぐ増加状況(下の資料参照)
つまり、この時代に何が起こっていたかというと
「年々、保育を必要とする児童が急増していた。」
この状況下において、過去3年連続待機児童発生率ワーストであった本市の待機児童を解消した実績は顕著。市民参加で策定した「のびゆくこどもプラン 小金井」量の確保の計画どおり、当時は、数(定員)の確保が至上命題であった本市の役割を果たしてきた。と言える。
その結果、
●平成27年度児童福祉費75億円と比較して、令和4年度は61億円増の136億円と約倍増し、市民1人当たりの児童福祉費は、現在、多摩26市中で1番多い。(下の資料参照)
その効果として、
●平成27年度比較で、「人口」は7,000人増加(下の資料参照)
●「市税」歳入は単年度で21億の税収増(下の資料参照)
●「基金現在高」は、平成27年度の55億円から126億円まで71億円積み増し(下の資料参照)
●市の借金である「市債現在高」は、平成27年度261億円から7年間で168億円まで約100億円を減らした
これらは、財政健全化へ努力をしてきた数字上の事実である。
また、都の公表資料から
●東京都総務局統計部の資料では、区市町村の平均年齢(令和4年1月1日現在)で、本市は44.41歳と、多摩26市中、44.30歳の稲城市に次ぐ2番目に若い多摩地域の自治体となった。(下の資料参照)
つまり、
沖浦質疑(要旨):
西岡前市長が着任した平成27年度から7年間の予算執行の行政効果として言えることは、
「子育て世帯に選ばれるまちになってきた」ことではないか。と評価するが、
白井市長はどのように受け止めているか。
白井市長答弁(要旨):
本市が子育て世代(世帯)に選ばれていることに、間違いはない。
沖浦討論(要旨):
子どもにお金をかければ、人が集まり人口が増え、税収が上がり、財政も健全になる。
前明石市長が仰っているようなフレーズが、実は小金井でも起きていたということ。
手法や自治体規模は異なれど、このロジックを体現したことは偽りのない事実である。
もちろん、政策によらない事象もあれば、歴代市長が取り組んだ施策の行政効果も含まれること否定するものではない。誰か一人の功績ではなく、積み重ねてきた結果として現在があると考える。全ての事務執行が100点満点というわけではないが、その時代において優先的に求められる施策を展開、実行してきたことは評価に値する。
つまり、令和4年度は、与えられた任期の中で、その時代の大きな課題に向き合い、一所懸命取り組んだ結果、期待された行政効果が表れた年度であると総合的に評価する。
その上で、白井市長には、このような積み重ねがあったからこそ、現在大きな事業の財政見通しを立てることができる段階にあることを十分に踏まえていただき、今後の適正な事務執行を求め、令和4年度小金井市一般会計歳入歳出決算の認定について賛成をする。
ちなみに、
決算認定の採決態度は以下のとおり
令和4年度決算に賛成(認定) 6
みらいのこがねい④(岸田・村山・鈴木・沖浦)
子ども①(古畑)
一人会派① 水谷
令和4年度決算に反対(不認定) 16
共産③(たゆ・水上・森戸)
子ども③(渡辺大・高木・片山)
自民信頼④(吹春・河野・五十嵐・遠藤)
公明②(渡辺ふ・小林)
一人会派④ 斉藤、安田、坂井、清水
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